私が読んで施術の参考になった本 (3)アナトミートレイン

本書は筋膜連結の書籍では有名な書籍であり、解剖学と並んでこの筋膜連結(体の繋がり)は臨床の指標となる全身の地図であると
考えている。筋膜連結には基本となる4つの繋がりがあり、この連結上に問題が起こっている部位の原因がある事が多い。
例えば、お辞儀をした時に腰に不調が出る場合、大腿後面が原因になっている事は少ない。
最近では筋膜リリース、筋膜はがしと言ってテレビなどでも介され注目されているが、筋膜に対する施術は昔からありセラピスト側
からすると真新しくはない。今までこの筋膜の役割が明確にされていなかった。解剖書にも組織としては載っているが、筋膜の役割についてはほとんど記載がない。エコーなどの画像検査が進歩した事で明らかになってきた。体の全ての器官は膜に包まれていて筋肉であれば筋膜、心臓であれば心膜、脳、脊髄であれば髄膜と名前を変えこの膜で全身が繋がっている。この基本の4つの繋がりを当院でも重要視しているのでこの4つの繋がりのうち特に重要な2つを紹介する。

浅後線(Superficial Back Line)

足の裏から頭の先まで体の後ろ側を繋げる、足の指から膝の裏そして膝の裏から眉までのこの繋がりは2部になっている。
起立時のように直立になると1本の繋がりに連結する。
この繋がりの全体的な機能は体を完全に起こした状態(伸展位)に保ち、前に倒れるのを防ぐ事である。

人間は丸まった状態で生まれ来る、子供は発達段階において、立ち上がりふらつかずになっていくにつれ、この繋がりは頭を持ち上げる。次第に目や体の他の部分を使う事で発達していく。上目使いが出来るのはこの繋がりがあるからである。

浅前線(Superficial Front Line)

足の指から骨盤までと骨盤から頭蓋骨までの2つを繋ぐ、これによって足先から頭の側面までの全身の前側を繋ぐ。
この2つは起立した状態で股関節を後ろに伸ばすと1つに繋がれる。
全体的機能は浅後線とのバランスを取り重力線よりも前にある骨格部分、骨盤、胸郭、顔面を上に引っ張り上げており、
人体の前側にある敏感な器官を守る役割もしている。腹腔臓器はこの繋がりの張力によって保護されている。

ここまで単純ではないが簡単に言うと浅後線が強ければ反り腰傾向、浅前線が強ければ受け腰傾向になる。
また負の情動は全て屈曲となって現れると言う言葉があるが、人は落胆や恐怖を感じた時など、または何かから身を守ろうとする際には前屈みに丸まる。これは人として当然の防御反応である。それと赤信号反応と言う物があり、これは体を丸めるのではなく、この浅前線の強い緊張でこの状態を保つ事が出来てしまう物である。
すなわち猫背である。この姿勢を持続していると身体や心にまでマイナス影響が出てくる。

当院でもこの繋がりを重視し、姿勢の観点から腰痛治療、肩こり治療などを行っている。

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