私が読んで施術の参考になった本(1)クリニカルマッサージ

本書は、痛みや機能障害といった具体的な心身障害を改善するために
軟部組織に行う手技療法のテキストである。スウェーデン・マッサージの
基本技能を習得した人に向けたテキストとあるが、個人的にはとても
わかり易く軟部組織の解説があるので軟部組織に手技療法を行うセラピスト
には参考になると思う。

基本原則

1 個体は有機体である、複雑な組織体である体は、部分の単なる寄せ集めではない
治療家は部分を全体との関連において捉える事を忘れてはいけない。
完結にまとめると足をケガした人はケガした方の足をかばうため股関節や腰に
負担がかかる、すると背中に生じたアンバランスは首に悪影響を及ぼす、
首の筋肉だけ施術しても問題は解決しない。

2 短縮した筋組織は力を出せない。筋肉はよくポンプに例えられるが縮こまった
ポンプではポンプ動作がうまく出来ない。

3 体の軟部組織は触れられる事に反応を示す、なぜ反応するかについては
種々の説がある。ヒィードバック回路では、正常な機能を回復させつつ、
感覚刺激が干渉を起こすが、ヒィードバック回路は自己永続的神経筋であり、
そういった回路が筋膜痛を起こすという説が有力。

筋肉の解剖学

通常複数の筋肉が協調して収縮反応を行う、どのような動きでも全筋肉が関与する
ことはないし、1つだけの筋肉で動きが起こる事もない。筋肉の仕事をする
筋ヒィラメントは太いミオシンと細いアクチンがある、ミオシンとアクチンは平行して
並び端の方が重なっている。このようなヒィラメントの並びが骨格筋の特徴である
縞模様を生じる。2つのヒィラメントが集まり筋節を形成する。筋節がひも状に
繋がったものが筋原線維である。筋細胞は複数の筋原線維からなる。
筋細胞と筋原線維は同義である。
筋細胞が集まり筋線維束を形成し筋線維束の集まり筋組織を形成する。

筋膜

筋膜は帯状の物あるいは巻く物を意味するラテン語に由来する、
筋膜は体のどの組織よりも隅々まで広がっている組織であり
体のどこにでも存在する。筋膜は体の基盤である。
内外から諸器官を形作るだけではなく、循環器、神経系、リンパ系
といった全ての機関の土台となっている。

1形成し保持する。体及び体の構造部分に形を与え定位置に保つ 

2制限する、強固な境界を与えることで、筋肉強度を増加させる

3道標となり形作る。筋膜を失った場合、障害は回復が遅れる

4包んで区分する、筋膜は体液を包み、体液を選択的に通す。
感染の広がりを抑えるのに役立つ

5分岐を繰り返す器官の基盤となる、循環器やリンパ系の
毛細血管や脈管を支え全身に分岐する神経も支える

6新しい結合組織を生産する、腱や靭帯を正常化し、瘢痕組織(かさぶた)を作る
筋膜はよくセーターなどのピッタリした衣類に例えられるが
ピッタリした衣類がずれてしまった時の不快感を多くの人が
経験したことがあると思うが、とても居心地が悪いと思う全身タイツのような筋膜
には偏った姿勢や動作から歪みが生じている。当院ではこの筋膜を回復させようと努めている。

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